実務研修の時間が増えたことは前回の記事で書きましたが、今回は研修そのものについてです。
私も数年前にケアマネ試験を合格し、昨年1回目の更新研修を受けました。

感想ですが・・・「長い!」・・・

試験を合格しただけでは実務に就くことはことは困難だと思いますが、今の研修制度ってどうなんでしょう?
介護の世界で高名な菊地 雅洋氏も過去に自分のブログで語ったことがあります。




長文ですが、これから研修を受けられる方には是非読んでほしい内容です。

「masaの介護福祉情報裏板」(http://blog.livedoor.jp/masahero3/)より
※事前に掲載許可を頂いています

「来年の介護保険制度改正では、介護支援専門員に係る研修制度の見直しも実施される予定になっている。課題とされている内容を追加するために研修時間が現在より長くなる。

変更が予定されている研修
・介護支援専門員実務研修(試験合格者対象:実務従事者基礎研修と統合)→研修時間が44時間から87時間に増加(平成28年度以降の試験合格者から実施予定)
・介護支援専門員専門研修(更新研修)→53時間から88時間に増加
・主任介護支援専門員研修→64時間から70時間に増加
・主任介護支援専門員更新研修→新たに追加


以上のような変更が予定されており、かつ研修終了時の終了評価を実施し、受講者の習熟度を評価することになっている。(合否を決めるわけではない。)

増加される時間では、権利擁護・成年後見制度・ケアマネジャーの職業倫理などの座学の追加のほか、高齢者の多い疾病を抱えた人のケアマネジメントや、看取りのケアマネジメントなどの演習も取り入れるとしている。

これらは「介護支援専門員の資質向上と、今後のあり方に関する検討会」で整理された内容等を踏まえた改正であろう。そこではすべてのケアマネジャーの質が問題となっているわけではなく、優れた援助技術をもって地域で活動しているケアマネジャーが存在する反面、事業者都合のプランや、一律機械的に支給限度額いっぱいまで自社サービスを組み込むという悪質なケアマネジメントを行っているケアマネジャーが存在すること、援助技術が低く利用者の暮らしを支えられていないケアマネジャーの存在することが指摘され、ケアマネジャー個々の能力の質の差が問題となっている。

この研修体制の見直しにより、介護支援専門員全体の質がある程度担保されることになるのだろうか。どうもそれは期待薄である。

実務研修や更新研修という義務研修の時間を増やし、詰め込む知識を増やしても、資格取得の間口が低く広い限り、質の差は埋まらない。前述したように、終了評価も合否判定ではなく、習熟度を自覚させるだけであるのだから、そのことも質の担保に結びつかない。せいぜい今までの研修のように、居眠りをしているだけで終了するという人は減るかもしれないという程度の変化しか生まないだろう。

それに僕は、演習というものの学習効果に疑問を持っている。僕自身は演習で話し合ったことが、実務に生かされたという経験はない。人のケースをいくら検討しても、ケース対象者に向かい合って、感情を交差させないとわからないことが多く、むしろそうした感情に対してアプローチすることが求められたりすることである場合も多くて、紙上のケースをいくら検討しても、机上の空論で終わる事例が多い。演習という時間を過ごすためにアリバイ作りの議論参加という、労多くして効なしという経験が多い。それは話し合いという形式だから、座学よりは眠くならずに、時にはテーマを外れて、お互いの職場の事情も話題にのぼり、様々な職場事情が垣間見られることで、話し合い自体は盛りあがるかもしれないが、それだけの話である。

また、ケアマネジャーの質の差が問題視されるのと同様に、研修講師の質の差も問題視される必要性がある。

表の掲示板のスレッド、「ひどいケアマネの更新研修」で指摘されているような、勉強不足の講師が何時間講義しようと、知識レベルや資質の向上には結びつかない。こちらが指導してやりたいような講義内容に終始する講師であれば最悪だ。金と時間を使って、どうしてそのような講義を聞かねばならないのか?これが自ら望んで受講した講演等なら自己責任と諦められるが、義務研修ということであれば、詐欺被害にあったと変わりない感覚に陥ってしまう。

しかし研修時間が増加するのだから、受講料も現在より高くなるのだろう。無駄な出費と時間の浪費が増えるだけではないのか?

研修機会があること自体は悪いことではないし、新しいカリキュラムを必要に総じて追加することは否定しない。しかしこれが資格更新のための義務研修であるとなると話は別である。義務研修であるなら、受講者がその研修を受講して役に立つという意識を持つことができる個々の研修内容の質の担保が求められる。研修主催者には結果責任も求められる。しかし全国で実施されるこれだけ長時間の講義において、各地でその内容を適切に伝えることができるスペシャリストたる講師を集められるなんてことはないだろう。講師の質がこれだけ大きい研修を義務化しても、受講者の質は担保できない。

事業者は、増えた研修時間だけ多く、介護支援専門員が実務に就けない時間を埋める必要が生ずるわけだから、サービスの質は低下するかもしれない。いいことなんてないような気がする。

そもそも質の高いケアマネジメントを展開している介護支援専門員は、義務研修がなくとも様々な研修参加を含めた勉強機会を自ら求め、最新の知識や援助技術の獲得に努めている。問題は、そうではない介護支援専門員であるが、そういう人は義務研修を受講しても居眠りしているか、内職しているか、講義を上の空で聞いて終わりという結果に終わるだけであることが多い。

そういう人が資格を得られないように資格取得の間口を変えるほうが、よっぽど質の担保に結びつくと思える。

そこを変えないで、研修時間をいくら増やし、新たなカリキュラムを組み込んでも、成果が上がることはないと思われる。」

筆者も菊地氏と同意見です。
菊地氏のブログはためになる情報が多くいつも参考にさせて頂いています。
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